次回の制限改定(2018.07)発表まで約3週間となりますが、
一番の注目はやはり「閃刀姫への規制内容」でしょう。
この記事では「過去に環境トップであったカテゴリに対する規制の傾向」から今回の制限改定で【閃刀姫】が受ける規制を予測します。
また、規制を受けた場合、新マスタールール施行後に登場したカテゴリとしては最速での規制となるのか?にも触れていきたいと思います。
今回、サンプルとして取り上げる過去の環境デッキは以下の5つ。
いずれも環境トップを取った事のあるカテゴリーですが、同時に登場から規制までの期間が短かったカテゴリーでもあります。
それでは、まず始めに各カテゴリーが規制までにかかった時間を見ていきましょう。
THE SHINING DARKNESS(2010年2月20日発売)で登場した《インフェルニティガン》により【インフェルニティ】は当時の環境を席巻しました。
《インフェルニティガン》
※2の効果にターン1がない&《インフェルニティ・デーモン》からサーチ可能という点を見ればその凶悪さは容易に想像できると思います。
このカードの登場により、少ない必要手札から《氷結界の龍 トリシューラ》を3体並べ2700*3=8100でワンキルしたり、先攻1ターン目でも膨大なアドバンテージを稼ぐことができました。
その凶悪さから登場から6か月後の2010.09の制限改定で制限カードに指定されています。
当時の制限改定は半年に1回であったので、ここで規制しないと先半年【インフェルニティ】の環境が続いてしまう事を考えると妥当な制限改定であったと言えるでしょう。
そいう言う意味では、リミットレギュレーション施行前の半年に1回の制限改定の時の方が、改定の内容を読みやすかったとも言えます。
今の制限改定は3ヶ月刻みなので「今回規制するか、次回規制が入るのか?」が読みにくい部分があります。
もともとは海外テーマである【彼岸】はEXTRA PACK 2015でOCGに登場しました。
発売当初から、当時の環境デッキであった【EM】や【帝王】と肩を並べていましたが、
EP15発売から約6ヶ月後の2016.04の制限改訂で以下のカードが軒並み制限カード化しました。
《彼岸の旅人 ダンテ》
※無制限→制限
《彼岸の悪鬼 スカラマリオン》
※無制限→制限
《魔界発現世行きデスガイド》
※準制限→制限
第9期最後の環境を飾ったこのテーマは登場直後、瞬く間に環境を席巻し、環境は文字通り【十二獣】一色となりました。
レイジング・テンペストで登場した【十二獣】は、ランク3のインヴォーカーやテンキから《十二獣 モルモラット》に繋ぎ、そこを起点にしてアドバンテージを失わずに大量展開ができるテーマでした。
《十二獣モルモラット》
この動きを抑制する為、レイジング・テンペスト登場から約2ヶ月後の2017.01の制限改訂で、インヴォーカーの素材となる《SRベイゴマックス》と《炎舞-「天キ」》が無制限カードから制限カードになり、モルモラットにアクセスする手段が少なくなりました。
しかし、このテーマの勢いは依然として衰えず、むしろ2017年1月に発売されたマキシマム・クライシスで登場した新たな十二獣エクシーズであるハマーコング・ライカによって、構築の幅が広がり、環境から退くどころか、ますます環境の十二獣色が強くなりました。
その直後の2018.04の制限改訂ではデッキの回転の起点となっていたモルモラットが制限、さらには汎用性の高いフリーチェーンの除去効果を持った《十二獣ドランシア》と優秀すぎる専用リクルートカードの《十二獣の会局》が無制限から一気に禁止カードに指定されました。
《十二獣ドランシア》
《十二獣の会局》
これは、レイジングテンペスト発売から約5ヶ月後の出来事です。
他テーマへの規制が制限なのに対して、【十二獣】に対する規制が禁止である理由はおそらく、その出張性能の高さにあるでしょう。
リンク召喚が導入された新マスタールールが施行される直前に発売されたマキシマムクライシスで登場した【真竜】。
永続魔法・罠をリリースしてアドバンス召喚できる上級モンスターが中心のこのテーマはエクストラデッキのモンスターをほぼ用いないで構築が可能なため、新マスタールールの影響をほとんど受けることがありませんでした。
むしろ、他のテーマが新マスタールールの影響を受けて全体的に弱体化を余儀なくされる中、【真竜】は環境では唯一影響を受けなかったテーマと言えます。
(【kozmo】忘れんなよ)
具体的には新マスタールールの施行と、先述の2017.04の制限改定(ドランシアと会局が禁止)により、それまで猛威を振るっていた【十二獣】が構築の変更を強いられる横で、【真竜】がじわじわと環境に芽を出し始めます。
2017年5月にもなると、十二獣と真竜の混合型である【十二獣真竜】、2018年2月に発売されたストラクチャーデッキR-恐獣の鼓動-で大幅に強化された恐竜族との混合型である【恐竜真竜】や、破壊された時に効果を発動する【Kozmo】の上級モンスターと《ドラゴニックD》の相性が良さが売りの【Kozmo真竜】などが環境で活躍しました。
この様に出張性能が非常に高いことも【真竜】の特徴の一つでした。
この出張性能の高さを支えたのが【真竜】の万能サーチカードである《ドラゴニックD》と、
《ドラゴニックD》
制圧力と除去力を兼ね揃えた【真竜】の切り札であるマスピこと、《真竜剣皇マスターP》でした。
《真竜剣皇マスターP》
2017.07の制限改定では、その高すぎる出張性能の抑制のためか一気に上記の2枚が制限カードに指定されました。
これは【真竜】が登場したマキシマムクライシス発売から6カ月後の事でした。
その次の2017.10の制限改定では《真竜剣皇マスターP》・《ドラゴニックD》が禁止カードに、《真竜拳士ダイナマイトK》・《真竜の継承》・《真竜皇の復活》が制限カードに指定され、従来の構築がほぼ不可能となりました。
【SPYRAL】は新マスタールールとなってから『始めて1強環境を作った』テーマです。
もともと海外の9期テーマである【SPYRAL】はEP17で日本に逆輸入をされることになったのですが、
そこで日本初登場のリンクモンスターである《SPYRAL ザ・ダブルヘリックス》が収録されたことで、デッキの爆発力と安定性を大幅に向上させました。
少ない手札から、相互リンク3の《トライゲート・ウィザード》とラストリゾートを装備したボルテックス、さらにはバックに《SPYRAL GEAR-マルチワイヤー》を伏せて、フィールド魔法の《SPYRAL RESORT》を維持した状態でターンを渡せるという鬼のような盤面を敷けるテーマでした。
新マスタールール施行前であれば同じような動きをするテーマは無数にあったのですが、施行後にここまで豪快なソリティアができるテーマは【SPYRAL】が初でしょう。
2018.01の制限改訂では、その凶悪さに目をつけられたのか、デッキの核となるカード3種が軒並み無制限から制限カードに指定され、爆発力、安定性の低下を余儀なくされました。
《SPYRAL-ジーニアス》
効果モンスター(制限カード)
星1/地属性/機械族/攻 500/守 400
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「SPYRAL GEAR」カード1枚を手札に加える。
(2):このカードが墓地に存在し、
自分フィールドに「SPYRAL-ダンディ」が存在する場合に手札を1枚捨てて発動できる。
このカードを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
《SPYRAL RESORT》
《SPYRAL GEAR-ドローン》
これはEP17が発売された2017年9月からわずか4ヶ月後の出来事でした。
それでは今回の制限改訂で最も注目されているであろう【閃刀姫】に対する規制はどうなるのか?
ここまでで紹介した5つのカテゴリから傾向を掴みたいので、まずは5カテゴリーに対する規制内容をまとめてみました。
上記の表から以下の傾向が見えてきます。
【遊戯王における環境トップカテゴリに対する規制内容、時期の傾向】
・出張性能の有無にかかわらず、環境トップ(主流)のカテゴリであれば、発売から4~6カ月で規制(制限or禁止)がかかる。
・出張性能が高いカテゴリの主要パーツは禁止カードに指定される。
傾向が整理できたところで、この傾向に今回の【閃刀姫】を照らし合わせてみましょう。
【閃刀姫】は2018年2月24日に発売のデッキビルドパック ダーク・セイヴァーズ(DBDS)で登場したカテゴリなので、次回の2018.07制限改定時には発売から「約4ヵ月」が経過したことになります。
そこで規制されないと次回規制は2018.10なので、発売から「7ヵ月」規制されなかったこととなり、上記の傾向から外れることになります。
環境の約4割のシェアを占めるカテゴリが、7ヵ月間放置(規制なし)となるのは考えにくいので、次回制限改定では何らかの規制がかかることが予想されます。
閃刀姫への規制内容に関しては、それこそ様々な予想ができます、僕はこれまでの傾向から以下の予想をしました。
・枚数、内容ともに直近で大幅な規制を受けた【SPYRAL】になぞって、3種類のカードが制限カード化する。
・制限カードとなるのは出張性能を押し上げている《閃刀起動-エンゲージ》《閃刀機-ホーネットビット》《閃刀姫-カガリ》
この規制内容を先ほどの表に当てはめてみると・・・
とりあえず、この表に違和感はないと思いますが、少し引っかかるのが、以下の2点。
上記の2点があるので、必ずしも今回サンプルとしてピックアップしたカテゴリと同等の規制が掛かるとは言い切れません。
また、比較対象にしたサンプル数もそこまで多くないので、今回お伝えした情報は
「遊戯王の制限改定の傾向はこんな感じなのかぁ(´∀`*)」
ぐらいに捉えて頂ければ幸いです。
2018.07の制限改訂で【閃刀姫】が規制された場合、新マスタールール施行後では最速の規制となるのか?についてですが、
結論から言うと最速制限ではないです。
下記の通り、現在最速で規制を受けたカテゴリは【SPYRAL】。
登場:2017年9月9日
規制:2017年12月31日
期間:114日
登場:2018年2月24日
規制:2018年7月1日
期間:127日
期間にすると登場から114日で規制を受けています。
僅か13日の差ですが【閃刀姫】が今回の制限改訂で規制を受けたとしても最速制限では無いので、前例がある分、規制を受けるハードルは幾分か低くなっていると言えるでしょう。
いかがでしたか?
最後に、今回の制限改訂で【閃刀姫】の主要カードであるエンゲージに対してどれほどの規制が掛かるのか、
あなたの予想を聞かせていただきたく、ツイッターアンケートを実施しておりますので、ご回答頂けると幸いです(^_^)
【アンケート】
2018年7月改訂でエンゲージは?— ポッター@KYブログ (@kagakuyuugi) May 22, 2018
それではまたお会いしましょう。
長い記事を最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)/
コメント失礼いたします。【閃刀姫】の規制候補3枚は(テーマなので当たり前ですが)相互関係がしっかりしてるのがヤバイと思います。
例えばエンゲージが1枚になってもカガリで回収すればいいわけで、サーチをビットにあてれば次ターンもビットからカガリにして…と安定感は落ちるかもしれませんが今と変わりません。
ビットもターン1ないのでカガリがいれば召喚権なしリンク2引き換え権とも言えますし、エンゲージ制限でカガリが禁止なんじゃ?と思う考えもあります。
ただ真竜や十二獣、最近緩和されたシャドールもそうですがエース使えなくなるのは本当悲しいんですよね…。ビット禁止ならレイちゃん使わざる得なくなりますが、エンゲージカガリエンゲージ(召喚権済)できちゃいますし、うーんというところです。うまい落としどころを期待したいですね…。